サビ管(サービス管理責任者)が辞めたくなる本当の理由

サビ管(サービス管理責任者)が辞めたくなる本当の理由
現場のリアルを整理

サビ管(サービス管理責任者)が辞めたくなる本当の理由

――それは「能力不足」ではなく「構造の問題」です

就労支援・B型 定着・離職防止 現場改善の視点

就労支援の現場では、サビ管(サービス管理責任者)が「足りない」「定着しない」という声を多く耳にします。資格を持っている人はいるのに、現場に出ない、あるいは短期間で辞めてしまう――。

この状況を「向いていない」「責任感が足りない」と個人の問題にしてしまうと、同じことが繰り返されます。実際には、個人ではなく構造の問題が背景にあります。

1

業務量と責任が一人に集中しすぎている

サビ管の業務は、個別支援計画の作成・モニタリング・記録、利用者・家族対応、職員への指導や調整、行政対応や実地指導・監査準備など多岐にわたります。

  • 「この件はサビ管しか分からない」
  • 「最終判断はサビ管で」

こうした場面が増えるほど業務は属人化し、休みの日でも連絡が入るなど、常にプレッシャーを抱えやすくなります。

2

責任は重いのに裁量がない

現場を良くしたくても、経営方針や人員配置、業務改善に対する裁量が十分に持てないケースは少なくありません。

責任と権限の不一致が続くと、「変えたいのに変えられない」という無力感が積み重なり、意欲を削いでいきます。

3

書類・制度対応に追われ、支援ができない

本当は利用者と向き合いたいのに、日々の記録、加算管理、監査・実地指導対応に追われて支援の時間が削られていく。これが大きな葛藤になります。

結果として「自分は何のためにこの仕事をしているのか分からなくなる」という感覚に陥りやすくなります。

4

人間関係の板挟みと孤立

サビ管は利用者・家族、支援員、管理者・経営者、行政など、あらゆる立場の間に立ちます。調整役を担い続ける感情労働は、静かに心を消耗させます。

さらに事業所内で「一人職」になりやすく、相談できる相手がいない孤独感も離職要因になります。

5

人手不足による現場兼務と評価の不均衡

人手不足の事業所では、サビ管が支援員業務や送迎、突発対応まで担う「何でも屋」状態になることも珍しくありません。慢性的疲労は燃え尽きにつながります。

それでも評価や給与が見合わないと感じたとき、「この責任なら別の職種の方がいい」と転職を考えるきっかけになります。

!サビ管の離職が現場にもたらす影響

サビ管が退職すると、個別支援計画の引き継ぎが難しくなり、支援の質が一時的に不安定になります。利用者・家族の不安も増え、信頼関係の再構築に時間がかかります。さらに職員に業務が集中し、連鎖的な離職につながるケースもあります。

6

仕組みを変えなければ、同じことが繰り返される

離職が続く背景には、「個人が頑張れば何とかなる」という前提が現場に残っていることも影響しています。責任感が強い人ほど抱え込みやすく、結果として限界を迎えます。

サビ管が安心して働き続けるためには、業務を一人に集中させない体制、相談できる相手がいる環境、裁量と役割の明確化が欠かせません。無理をしなくても回る仕組みが、利用者・家族・職員すべての安心につながります。

まとめ:辞めさせているのは「人」ではなく「構造」

サビ管が辞めたくなる理由は、能力不足ではありません。責任集中・権限不足・書類偏重・孤立といった構造的な問題が重なった結果です。サビ管が力を発揮できる環境づくりは、支援の質を高め、事業所の安定と成長につながります。